この作品とは…?

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目 次

単行本化のお知らせ

 2016年(平成28年)10月13日、復刊ドットコムから『だれも知らないアンパンマン やなせたかし初期作品集』が発売されました! 1976年(昭和51年)から1982年(昭和57年)まで『月刊いちごえほん』(サンリオ刊)に連載され、その間、しょくぱんまんをはじめ、カレーパンマン、ばいきんまん、バタコさん、チーズとお馴染みの主要キャラクターたちを輩出した本作の単行本化です! 正規の全71話に加えて、付録として掲載された『トースター島のなぞ』も収録されています!
 雑誌で発表された後、何の展開もなく、長年、眠り続けていた幻の本作の単行本化が実現したのは、復刊ドットコムでのリクエスト投票に参加して頂いた皆様のお陰です! 心から感謝を申し上げます!

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アリスのさくらんぼ復刊のお知らせ

人見知りで不愛想な初期アンパンマンに注目!

 2019年(平成31年)2月19日、復刊ドットコムからやなせ先生の生誕100周年を記念して『アリスのさくらんぼ』がから復刊しました! 『十二の真珠』に続き、初期の『アンパンマン』が収録されている短編童話集です! amazonで法外(?)の価格で出品された時は驚かされましたが、復刊によって、誰の手にも届く作品となったのは、やはり喜ばしいことです!
 この作品に登場するアンパンマンは、人見知りで不愛想だが、そこがイカす人物に描かれています。現在の「可愛い」を追求した、ただお人好しからは考えられません。
 そのほかに『アリスのさくらんぼ』、『杉の木と野菊』、『サビ氏の流星砲』、『タコラのピアノ』、『Mr.USUPPERAIの最期』、『はだかのワニ』の7話の名作が収録されています。『杉の木と野菊』、『タコラのピアノ』は、『やなせたかしメルヘン図書館』(フレーベル館刊)の別バージョンと、この機会に読み比べてみてはどうでしょう? 『やなせたかしのメルヘン絵本』(2011年、朝日学生新聞社刊)には、更にもうひとつの『杉の木と野菊』が収録されています!
 世間では、どうもやなせ先生を“キャラクターメーカー”などと軽視(?)しているようですが、この童話集を読めば、実は深い考えを持った人だったことがわかるはずです。 『アリスのさくらんぼ』をどうぞよろしくお願いいたします!

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拝啓 やなせスタジオをはじめとする関係者殿

誰でも読める作品を…

「ぼくはえらい画家になるんだ。そしてみんなに尊敬されるんだ」
「いよいよ、君はバカだ」
「なぜ、ぼくがバカなんだ。画家になるのはいけないのかい」
「君はえらくなるために画家になるのか。それよりも子供でもおじさんでも、だれでもをよろこばせる絵をかけよ」
 “元祖アンパンマン”で有名な『十二の真珠』(2012年、復刊ドットコム刊)から引用させて頂きました。画家志望の少年とその家庭教師(?)の会話です。では本題に入ります。

 2009年(平成20年)、15年近く絶版だった『アンパンマン・ミニ・ブックス』(フレーベル館刊)がついに復刊しました。しかし、本来なら喜ばしいことのはずなのですが、私は残念ながら「何もわかっていない…」とあまり良い気分にはなれませんでした。というのは、復刊といっても、アンパンマンミュージアムなどの“オフィシャルショップ限定商品”であって、一般の書店では販売されないからです。
 私は別に自分のコレクションに加えたいという次元の狭い理由だけで復刊を望んだ訳ではありません。やなせ先生自身の原作をアニメの『アンパンマン』しか知らない今の子供たちにも伝えたいという期待も託しました。けれど、オフィシャルショップ限定では、買い求めるのは、子供ではなく、一部のマニアだけです。
 やなせ先生がお亡くなりになった翌年の2014年(平成26年)には、私の怒りを更に煽るように『あんぱんまんとしょくぱんまん』(フレーベル館刊)、『しょくぱんまん』(同)、『アンパンマンとカレーパンマン』(同)が復刊されました。もちろん、こちらも一般の書店では販売されません。

 『アンパンマン・ミニ・ブックス』がオフィシャルショップでしか購入できない一方、一般の書店では、アニメをベースとした『アンパンマン』の絵本や図鑑、ゲーム、教材などがズラリと並んでいます。やなせ先生の原作は、1988年(昭和63年)のテレビ放送が開始されて以降、これらの目障りな出版物に“領土”を奪われる形で、一部を除き、年々、書店から姿を消したのです。そんな訳で『アンパンマン』には「テレビ化されたら原作が売れる…!」という“神話”がありませんでした。本屋さんに行っても売っていないのだから、私の世代の多くが原作を知らないのは納得できる話です。アニメになぜ、ここまでして迎合する必要があるのか、私には理解できません。これにはやはり、“お金の力”が働いているのでしょうか?

 『アンパンマン・ミニ・ブックス』がオフィシャルショップ限定商品として復刊したのは、やなせスタジオをはじめとする関係者が、やなせ先生の原作を“マニアのための作品”だと片付け、全く興味を示さないからでしょう。しかし、やなせ先生はマニアのための作品などは描いたつもりはないはずです。
 『十二の真珠』に収録されている『星の絵』という作品を改めて読んでください。前述で挙げた会話のようにやなせ先生は、一部の人間のためだけに描いた作品を好みません。長年、編集長を勤めていた『月刊詩とメルヘン』でも、知的な人間にしか理解できない詩を否定するような発言を何度もされています。だから『アンパンマン・ミニ・ブックス』がオフィシャルショップでしか購入できない限定商品だと聞いた時は、とても情けない気持ちになったのです。

 小さなお子様たちにもやなせ先生の原作を読ませてください。よく、「今の子には理解できない…」などという声を聞きますが、そんなことはありません。子供は、案外、先入観に支配された哀れな大人よりも、見慣れないものを受け入れる力があるのです。私自身も、小さい時、図鑑や懐かしのVTRなどで昔の『ゴジラ』を見て、ビックリしましたが、イコール嫌いだったという訳ではありません。古い作品を見たために『ゴジラ』のイメージを壊されたどころか、むしろ、その歴史の深さを知り、子供なりに感動したと記憶しています。昔の『アンパンマン』も、きっと、子供たちに良いものを残すでしょう。そのためにも『アンパンマン・ミニ・ブックス』をオフィシャルショップ限定などと言わないで、一般の書店でも販売して欲しいのです。

 それから最後にファンの皆様にもお願いがあります。それは復刊ドットコムでの作品の投票です。あなたの1票がやなせ先生の原作を救い、更には未来を担う子供たちをも育てると信じています!

復刊投票(外部リンク)

 絶版・レア本を皆さまの投票で復刻 復刊ドットコム

 復刊ドットコムの公式サイトのトップページです。欲しいけど現在は絶版で手に入らない本は復刊ドットコムにリクエストしましょう! 投票数次第では再販売されるかもしれません。投票にはユーザー登録が必要ですが、無料なのでご安心ください。

 『「アンパンマン・ミニ・ブックス」シリーズ(全25巻)(やなせたかし)』 投票ページ 絶版・レア本を皆さまの投票で復刻 復刊ドットコム

 復刊ドットコムにリクエスト登録されている『アンパンマン・ミニ・ブックス』の投票ページです。一般の書店での復刊にご協力お願いいたします!

 『【原作】あんぱんまんとしょくぱんまん(キンダーメルヘン傑作選〈7〉)(文・絵=やなせ・たかし(やなせたかし))』  復刊リクエスト投票

 復刊ドットコムにリクエスト登録されている『あんぱんまんとしょくぱんまん』の投票ページです。オフィシャルショップ限定ではなく、一般の書店での復刊にご協力お願いいたします!

 『しょくぱんまん キンダーメルヘン傑作選(15)(文・絵=やなせ・たかし(やなせたかし))』 投票ページ 絶版・レア本を皆さまの投票で復刻 復刊ドットコム

 復刊ドットコムにリクエスト登録されている『しょくぱんまん』の投票ページです。オフィシャルショップ限定ではなく、一般の書店での復刊にご協力お願いいたします!

 『【原作】アンパンマンとカレーパンマン(キンダーメルヘン傑作選〈26〉)(文・絵=やなせ・たかし(やなせたかし))』 投票ページ 絶版・レア本を皆さまの投票で復刻 復刊ドットコム

 復刊ドットコムにリクエスト登録されている『アンパンマンとカレーパンマン』の投票ページです。オフィシャルショップ限定ではなく、一般の書店での復刊にご協力お願いいたします!

 『やなせ・たかし絵本全集(アンパンマン、やさしいライオン、チリンのすず)(やなせたかし)』 投票ページ 絶版・レア本を皆さまの投票で復刻 復刊ドットコム

 復刊ドットコムにリクエスト登録されている『やなせ・たかし絵本全集』の投票ページです。ご協力お願いいたします!

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投票有効期限導入について

延長手続きを…

 投票済みのファンの皆様、ご協力ありがとうございます。しかしながら、復刊ドットコムは、2011年(平成23年)1月に大幅なリニューアルが行われ、それに伴い“投票有効期限”が導入されました。有効期限は投票又は延長手続きした日から1年です。投票後の延長手続きもよろしくお願いします。

拝啓 アニメ中心主義殿

アンパンマンを改めて

 1983年(昭和58年)12月17日、ロサンゼルスを皮切りに、米国を巡回する『将軍の時代展』が開幕しました。発案者は意外な人物です。日本の博物館を管理する歴史学者ではありません。なんと、日本球界のスーパースター長嶋茂雄さんでした。
 さて、この長嶋さんのエピソード、一体、『アンパンマン』に、どう繋がるのでしょうか…? 続きは以前、ここにそのまま掲載していましたが、ダラダラとした長文になったため、『考えるアンパンマン文化』に移動し、丁寧に書き直すことにしました。ほかに素直に受け入れられなかったギネス記録認定や、『アンパンマン』に通じる『ゴジラ』の歴史なども取り上げたので、読んで頂けたら幸いです。

続きをどうぞ

 考えるアンパンマン文化

 偉そうな論文です。『アンパンマン』 について、改めて考えてみませんか?


ビデオ

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ざっと解説

しょくぱんまん、カレーパンマン、そしてばいきんまんが…

 『アンパンマン』は、絵本と並行して1976年から1982年にかけてサンリオの『月刊いちごえほん』で連載されていた漫画作品。全71回。タイトルは第52回までひらがなで『あんぱんまん』。
 『アンパンマン』といってもいろいろあるが、しょくぱんまん、カレーパンマンなど、主要キャラの出身作は何を隠そうこのバージョン。以前、『月刊詩とメルヘン』で連載されていた『怪傑アンパンマン』は“シリアスなアンパンマン”だったが、こちらは作風をガラリと変えて“笑いのアンパンマン”となっている。
 連載誌である『月刊いちごえほん』は、1975年(昭和50年、年度では1974)、『月刊詩とメルヘン』の姉妹誌として創刊。本家の『月刊詩とメルヘン』と同様、やなせ先生が編集長を務めてた雑誌のひとつでもある。創刊への経緯は『関連ページ』にある『アンパンマン編年史 1974年度を振り返る』を参考のこと。

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関連ページ

 アンパンマン編年史 1974年度を振り返る

 1974年度の出来事についてまとめました。『月刊いちごえほん』の創刊についての経緯はこちらをご覧ください。

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ここに注目!

キャラクターの輩出と形態変化!

 しょくぱんまんを始めとするある程度の主要キャラを輩出したのは、『アンパンマン』の歴史全般から見ても重要な出来事だろう! その後の『アンパンマン』にも大いに影響を与えた作品なのだ!
 どのキャラクターも最初から今の姿だった訳ではない。しょくぱんまんは丸鼻で、ばいきんまんは顔が長く、バタコさんはいつも歯を食いしばり、チーズはよぼよぼの老犬だった。カレーパンマンについては、顔が横長に変型したアンパンマンって感じで、現在のカレーパンマンと結びつけるのは無理がある。そんなキャラクターたちの成長過程を自分の目で確認するには、やはり、本作が必要だろう! しょくぱんまんは第11回、カレーパンマンは第15回、ばいきんまんは第25回、バタコさんは第38回、チーズは第65回から登場する。
 2016年(平成28年)10月13日に単行本の『だれも知らないアンパンマン やなせたかし初期作品集』(復刊ドットコム刊)が発売されたので、興味がある方は是非、拝見して頂きたい!

悪童バタコ

 バタコさんについてはキャラクター自体に驚かれる方がいるでしょう。某アニメで『アンパンマン』に出会ったという方は、バタコさんと言えば優等生。しかし、本作のバタコさんは、好奇心旺盛な“お転婆娘”で、仕事中にパン工場を飛びだして、アンパンマンたちを困らせる“悪童ぶり”を発揮する。アンパンマンをサポートするどころか、逆にこき使っているという感じである。某アニメのバタコさんが嫌いな方でも、このバタコさんなら受け入れるかもしれない。個人的には第39回の実はバタコさんと変わらないジャムおじさんも好きだ!

ばいきんまんが2、3匹!?

 初期の「ばいきんまん」は世界中のいたる場所で生息する“ばい菌種族”の総称という設定だった。本作では第35回から第43回まで2、3匹のグループで行動するばいきんまんが見られる。しかし、後述の幻のキャラクターが登場してからは、ばいきんまんは1話に1匹になる。

幻のキャラクター

 皆さんはフケツマンをご存知でしょうか? 人間が散らかしたゴミから発生し、ばいきんまんの相棒的な存在だった幻のキャラクター。初登場の第44回が掲載された『月刊いちごえほん〔1980年(昭和55年)4月号〕』の目次によると、生みの親はやなせ先生ではなく当時の読者だったという。そんなフケツマンの活躍(?)も本作の売りのひとつと言えよう。ちなみに某アニメに登場した原始人をモチーフとしたキャラクターは、同名なだけで関係ない。

無知なしょくぱんまん

 しょくぱんまんが頭脳明晰な2枚目という設定も、優等生のイメージが定着してしまったバタコさんと同様、某アニメの放送後のものだろう。本作の第56回では「かんがえるのはにがてだからわからない」という“無知発言”をしている。本作には残念ながら登場しなかったドキンちゃんはそんなしょくぱんまんでも好きになれるだろうか?

チーズは敵!?

 チーズはばいきんまんサイドのキャラクターだった。これは本作のアンパンマンは“犬嫌い”という設定だったため。しかし、第7回を見ると、同じイヌ科の生き物でも狼は平気のようだ。犬の方が狼よりもおとなしいと思うのだが。

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作品ページ

 アンパンマン[いちごえほん版連載漫画]各話詳細 1977年度掲載作品

 1977年度の作品を紹介します。しょくぱんまんとカレーパンマンのデビュー作品はこちらです。

 同 1978年度掲載作品

 1978年度の作品を紹介します。ばいきんまんのデビュー作品はこちらです。

 同 1979年度掲載作品

 1979年度の作品を紹介します。バタコさんのデビュー作品はこちらです。2、3匹のばいきんまんも登場します。

 同 1980年度掲載作品

 1980年度の作品を紹介します。その幻のキャラクターのデビュー作品はこちらです。無知なしょくぱんまんも登場します。

 同 1981年度掲載作品

 1981年度の作品を紹介します。チーズの衝撃的なデビュー作品はこちらです。

 アンパンマン[いちごえほん版連載漫画] 2016年度発行単行本詳細

 2016年度初版の『だれも知らないアンパンマン やなせたかし初期作品集』を紹介します。付録作品も含む全話収録の単行本です。

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 ※注 『ぼくらのアンパンマン文化』は、『アンパンマン』の公式サイトではありません。